不安と欲望は同じもの

慈恵会医大で森田療法の一般公開講座が

開かれることを知って、聴きに行ってきた。

 

きっかけは、youtubeで森田療法の症例紹介の動画を見たことから。

 

 


パニック症への森田療法

 

森田療法は名前を聞いたことはあったけど、

詳しいことは知らなかった。

高校生の時に不安神経症(今で言うパニック障害)を患ったことがあり、

今はまた電車に乗れなくなってしまってるので

何か学べることがあるかもしれないと思い、

受講した。

 

森田療法は、日本の精神科医の森田先生が

作った神経症向けの精神療法のこと。

森田先生が自宅に患者を寝泊まりさせて、

4つの治療段階を経て患者を回復に導いたのが始まりで、

現在はそのスタイルを入院という形に置き換えて

治療を行ってるのだそう。

 

森田療法の第1段階では7日間食事、トイレ、洗面以外は一日中個室で過ごすというものなんだけど、

スライドに映し出された個室がまさかの和室だったことにびっくり。

小さな和室に布団だけが敷いてあった。

 

病院というと問診を受けて、薬をもらって、

入院してベッドに寝る…というスタイルが

一般的だと思っていたから、

まさか和室に寝るところから始まる精神療法が

現代でも行われているとは思わなかった。

 

森田療法の考え方が、すごく印象的だった。

人が感じる不安というのは、

"こういう風になりたい"、

"こういう風に生きたい"という

生の欲望の裏返しなのだという。

 

不安と欲望は、大元は同じもの。

"こうなりたい"と強く思うから、

"こうなれなかったらどうしよう"と

強く思うようになる。

 

生きたいと思う限り、必ず不安も湧き上がる。

だから不安は悪いものでもなんでもない。

むしろ、より良く生きたいと強く願う人に必ず起こる自然な感情なのだから、

消そうと思うことはないんだという考え方だ。

 

その考えを受け入れられればあとは

不安をそのままにして、"こうなりたい"、

"こう生きたい"の方に意識を向けて、

それを叶えるために、行動していく。

自分が目指すものに向かって

進んでいくことを通して、

自分らしい生き方を実現させることが、

森田療法の目指すところだ。

 

話を聞いていて良いなと思ったのが

患者の主体性を大事にしているところ。

自分が求めるものは何かを自分に問いかけて、

それに向かって、自ら動くこと。

病院はその手助けをしていく。

治してもらうのではなく、患者自身が自分で治っていく(森田療法的に言えば受け入れる)ことを

目的にしていることに共感した。

 

最後に動くのは自分だ。

 

うううー分かってる…分かっちゃいる…

私の場合は"こうなりたい"、"こう生きたい"が

はっきりしないから不安がどんどん大きくなってるんだと思う。

森田療法的に言えば、それだけ生の欲望が強いということね!

結構強欲なヤツだったんだな…ワタシ。

 

「不安な気持ちにfocusするより、行動にfocus。」

 

今日の講義で学んできたことでした。

 

ちなみに。

不安で乗り物に乗れない人は、

不安をそのままに乗り物に乗ることを積み重ねると

だんだん心が落ち着いてくるんだそう。

MAJIKAYO。

"電車に乗れないかもしれない不安な気持ち"にではなく、

"電車に乗る"ことにfocusする。

心を落ち着かせることではなく目的地にたどり着くことを目的にすれば、

不安な気持ちもだんだんと治ってくるのだとか。

 

口で言うのは簡単だけど、いざやってみると

それどころじゃなくてひ〜!ってなるのよね…

日によっては急行に乗れる日もあるから、

気分に左右されないようになりたいわ。

 

焦らずやっていこう。

すぐにどうにかなるもんじゃないことは

もう分かってるから、

できることは、何でもやっていく。

勉強もする。

 

また来週、今度は鎌倉で講座があるそうなので、

行って来ようと思う。

 

…本当の目的は、

鳩サブレーを買うことなんだけどね!