もう一つのほう

 

苦しいと感じるのはどうしてだろう。

"苦しくないとき"を知っているから。

 

悲しいと感じるのはどうしてだろう。

"悲しくないとき"を知っているから。

 

 

 

もう一つのほう。

もう一つのほうがあると思うと、

手元にある片方があると思える。

 

"本当の自分"。

今は、"本当じゃない自分"。

 

"幸せ"。

今は、"幸せじゃない"。

 

きっとどこかにいるはず。

きっと、どこかにあるはず。

 

理想の。

自分が思い描いたような。

 

あ、そうか。

"思い描いてる"んだ。

 

"思い描いてる"のです。

そこに、現実はなかった。

空想だったり、妄想だったり、想像だったり。

ここにはないもの。

架空のもの。

 

どこかにいるであろう

"素敵な自分"と比べて。

どこかにあるであろう

"幸せ"と比べて。

 

泣いたり、ガックリしたり。

 

比べるものがなかったら、

どうなるんだろう。

素敵な自分も、幸せも、

もしもどこにもなかったら。

どうやって、今の自分は

素敵で、幸せだと思えるんだろう。

 

比べるものがなかったら

手元にあるものしかないんだね。

目の前にあるものしかないんだね。

それに良い悪いはなかった。

 

比べることを手放して、

今にじっくり、浸ってみることにしました。