まるで、映し鏡のように

台風19号が近づいてきている。

テレビでは何度も何度も防波堤に波が打ち寄せる映像が流れる。

夕方になると、人々が店に列を作り、食べ物や水、日用品を買い集め、店内の棚が空っぽになった様子がリポートされていた。

 

最寄駅に戻ってみると、

テレビで報道された通りの光景が目の前に広がる。

スーパーの中では、店を一周するほどの列が出来ていた。

約60年ぶりの超大型台風が来るのだから、みんな不安なんだろう。

 

不安は、不安を呼ぶ。

はたと、気がついた。

まさに。

これがまさに。

不安が不安を増幅させ、電車に乗れない自分の姿、そのものなのだ。

予測できない出来事を、

必要以上に大きく見て恐怖を抱く自分の世界を、

そのままそっくり見せられてるような気がする。

 

不安で混沌とした空気の中で平常心を保つことの、

なんとまぁ、難しいこと。

 

だけど今自分にできることは、

いつも通り過ごすこと。

今できることは、

出来事そのものにいたずらに振り回されることではなく。

水や食料を搔き集めることではなく。

 

周りをよく見て、

状況を把握し、

出来ることはやって、

いつも通り過ごす。

電車の中と、同じように。

 

皆さんもどうぞ、気をつけて、過ごして下さい。