表現する力

友人が好きなタレントさんが出演している

舞台とドラマのDVDをみせてくれた。

 

主演を務めたタレントさんの本業は役者ではない。

けれどその演技の熱のこもり方が強烈で、

観ているこちらも胸が熱くなって、涙が止まらなかった。

あぁこの人の演技、好きだなぁと思った。

 

お芝居について専門的なことは分からないけれど、

表情を見ていて少し自分の内側が滲み出てしまって

いるような、生っぽい演技が好きだ。

 

怒りや悲しみに涙を流して打ち震えているシーンでは、

この人の涙はカメラが止まるとピタッと止められるものなのか、

感情が昂ぶってしばらく止められないものなのか、想像してみる。

 

役者さんにも色々な人がいるだろう。

感情移入しすぎる人もいれば、役は役だからと、と切り替えられる人もいると思うし、

普段から自分を出すことが好きでお芝居する人もいれば、

普段は大人しいのに役に入ると別人のようになる人もいる。

 

私の知るそのタレントさんは、

テレビで見る限りとても大人しい人だ。

小さな声でボケをかまし、みんなにツッコミを入れられる。

そんな人が、役に入ると首に青筋を立てて、

顔を真っ赤にして、ボロボロと涙を流して叫び狂う。

普段内側に秘めている想いを、

役に乗せて吐き出しているように見えた。

 

普段言いたいことを言えず飲み込んでしまう私は、

心を激しく揺さぶられた。

 

役者として自分が出てしまうことが良いことなのかは分からない。

役はあくまで、役。

その役になりきって、素の自分と役を演じる自分を上手に使い分けることが出来るのが、

役者という仕事なのかもしれない。

けれどこのタレントさんは、役を演じることで自分を力いっぱい表現している。

 

その姿を見て、私ももっと自分を表現したいと思った。

今年の目標は"出す"!ことで、

思ったことをこうやって書き出すようにしているけれど、まだまだ経験も、知識も足りない。

2019年は、ダス! - ひとりごとと

 

その人の人となりが分かるような、"生(なま)の表現"。

これだと思うものは見つかっていないけれど、

もっと自分を出していこう。

そう思わせてくれる、今回の出来事だった。