見守る

 

 

作り出された幻に、手を打つことは何もない。

 

だから、何もしないでおこう。

そっと、見守っておこう。

 

おさまるまで、気の済むまで。

 

健気に、一所懸命に。

色々なことで、泣いたり、おびえたり。

それに立ち向かったりしているのだ。

 

そのままにしておこう。

見守っておこう。

 

その内すっくと立ちあがって、

すたすたと一人で歩いて、いなくなる。

 

その背中が小さくなるまで見守ろう。

じゃあね、と言って。