屋上で語らう

大家さんと2人で、屋上で語らってきた。

なんでこんなことになったのか。

 

大家さんとは会えば会釈をして、

お天気の話をしてすれ違うくらい。

特別親しいわけではないけれど、

今日はちょうど家に入ろうとしたところでばったり

出くわしたので、少し立ち話をした。

 

とりとめもない話をして挨拶をしたところで、

今度はなぜか屋上の景色を見ていきませんか、

と誘われた。

ちょうど夕焼けが綺麗に見える時間帯だったので、

折角だから写真を撮らせてもらおうと思って、一緒に屋上に上がった。

 

そこから、大家さんの話が始まった。

景色のことや、家の周りに新しく建った建物ついて話してくれた。

私はただほほうとかへーとか相槌を入れながら、

どうして私はここにいるのかと、ずっと考えていた。

大家さんは、誰かに話を聞いてもらいたかったのかもしれない。

 

話をしている内に、空はすっかり暗くなった。

なぜか2人で夜空を見上げて、星が見える、とかなんとか言い合った。

結局夕焼けの写真も撮るのを忘れて、屋上を下りた。

 

なんとも不思議なやり取りだった。

何より、大家さんと2人で空を見上げている

この状況があまりにも不思議で、

夢だったのかと思うくらい。

 

ふわふわとした感覚に包まれた不思議な体験を忘れない内に、

ここに書いておくことにした。