永遠にぼくのもの

気になっていた映画。

観てきたので、忘れないうちに感想をメモ。

以下、ネタバレ含みます。

 

 

今この瞬間を楽しむ、

純粋な世界を生きる天使の物語。


タイトルを

「好きな人を、ずっと自分のものに」と捉えると

少し違う気がする。


性への興味

好きな人といられる時間

1人の息子として母を想う時間

銃を撃つ快感を覚えた瞬間

盗んだものを得た瞬間

人を殺した瞬間


今、その一瞬、一瞬が

全て「永遠に僕のもの」と捉える方が

自分にはしっくり来た。


シリアスな場面に流れる軽快な音楽で、

盗みも殺しも、陽気さに変わる。


対してラモンは

盗みや殺しに動揺もするし、

大富豪をパトロンに、

スターを夢見ていたりもする。

大人と子どもの顔が入り混じる彼の存在は、

カルリートスの無垢さを引き立てているように見えた。


刑務所から脱走後、電車の中で流した涙。

今を楽しみ、生きるこの永遠は

ずっとは続かないと気づいたことへの悲しみに見て取れた。


人間臭さ、泥臭さを持たない。

その純粋さが逆に狂気に見えてくる。

彼はそういう意味での天使なのかもしれないと

思った。

 

個人的には

原題の"EL  ANGEL"の方がしっくり来たかな。

予告やポスター写真のイメージを良い意味で裏切る

面白い作品だった。